- Bスポット療法とは
- Bスポット療法は以下の症状に効果的
- Bスポット療法の注意点
- 鼻うがいについて
- 鼻うがいのやり方
- 新型コロナウイルス後遺症・ワクチン後遺症
- Bスポット療法により改善する可能性がある症状、疾患(2020年日本医事新報より)
Bスポット療法とは
Bスポット療法は、後鼻漏・頭痛を伴う肩こり・喉からくる風邪などの症状に非常に有効です。薬剤を染み込ませた綿棒を、上咽頭に塗布します。上咽頭とは、口蓋垂(のどちんこ)の後上にあります。子どもの時期にアデノイドがある部位で、ほこりや細菌・ウイルスが溜まりやすく、炎症を起こしやすいとされています。
Bスポット療法は以下の症状に効果的
- 鼻水が喉に流れる
- のどから始まる風邪 頭痛が伴う肩こり
- 粘着性のものが鼻から喉の間にへばり付く
- 痰が絡んで咳払いする
- 喉の違和感・詰まる感じ 喉の不調に伴って起こる肩こり・首こり・頭痛・うつ症状・不眠
- 耳が詰まる症状
- ゲップ・胸のつかえ感・むせやすい
- 痰がからんで咳ばらいする症状 声が出にくい・かすれる症状
風邪のひき始めは、ほとんどの場合が上咽頭の炎症からです。また、Bスポットとは、「Biinku(鼻咽喉)」の頭文字から取った名称です。上咽頭を擦過することにより、炎症抑制・殺菌作用があります。治療にかかる所要時間は約1分で、すぐに済みます。ただし、上咽頭が炎症しているので、ヒリヒリと痛むことがあります。ヒリヒリした感じは治療後に数時間続き、その後は徐々に治まります。のどから始まる風邪や、内服薬でなかなか治らない後鼻漏の症状にも効果が見られます。
Bスポット療法は補助的治療とし、現在行っている治療を継続しながらBスポット療法を取り入れるのが適しています。また、上咽頭局部のみに行うため、妊娠中や授乳中の方でも安心して受けて頂けます。通院は、1~2回/週となります。
Bスポット療法の注意点
当院では痛みの少ない方法で、Bスポット療法を行っています。治療後1時間前後は、血液が混ざった鼻水や痰が一時的に増えますが、心配は要りません。上咽頭の炎症が強いと、治療後に頭痛が起きたり、アトピー性皮膚炎などの皮膚症状が現れることがあります。Bスポット療法は、補助的治療とお考え頂き、現在の治療を継続してBスポット療法との併用が適しています。当院でのBスポット療法の実施は、高血圧やワーファリン内服中の方は、差し控えております。
上記にご注意いただき、ご希望の場合は、当院スタッフまたは担当医師にBスポット療法ご希望の旨をお知らせください。
鼻うがいについて
食塩水を用いる鼻うがいを行うことで、上咽頭の炎症を直接的に改善するだけでなく粘膜の修復が促されます。鼻うがいは、鼻腔から上咽頭粘膜を洗い流すことができるため、Bスポット療法と鼻うがいを併用されることをお勧めしております。
また、鼻うがいによって、鼻で吸い込んだほこりや、花粉・ほこり・細菌・ウイルスが付着した上咽頭を洗浄できるため、普段から鼻うがいを取り入れて上咽頭への細菌やウイルスの侵入を予防できます。なお、鼻うがいは、花粉症・慢性副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・風邪などに効果が見られます。
鼻うがいのやり方
鼻うがいは生理食塩水やサーレ等の洗浄液で鼻の中を洗い、粘液、汚れ、その他の刺激物を取り除く事ができます。
動画で鼻うがいのやり方をご紹介しております。
こんな方にお勧めです。
- 鼻水がのどに流れてくる方
- 鼻水が鼻の奥に溜まってすっきりしない方
- 鼻がかゆい方
- 鼻の手術をした方
- 風邪を予防したい方
- 花粉症を予防したい方
新型コロナウイルス後遺症・ワクチン後遺症
新型コロナウイルス感染による治療の後、咳や痰のほか、嗅覚障害・味覚障害・倦怠感・頭痛・めまい・耳の詰まりなどの症状が、長引いて残ることがあります。これらの症状は、コロナウイルス感染による後遺症と言われています。特に、上咽頭は、新型コロナウイルスの感染で炎症を起こしやすい部分です。このため、慢性上咽頭炎が後遺症をもたらす可能性があると言われています。
当院では、上咽頭炎が関与しているとされる、嗅覚障害・味覚障害・後鼻漏・自律神経などの症状に対して、Bスポット療法を実施しております。Bスポット療法の対象となるのは、新型コロナウイルス感染症と診断されてから隔離が解除され、症状が落ち着いている方となります。新型コロナウイルス感染症への感染予防効果の報告もありますし、当院でBスポット療法により嗅覚味覚障害が改善した例もあります。なお、受診時には、陽性判明日及び隔離解除日などをお伺いしております。
※激しい咳や息切れ・呼吸困難などの症状が長引いている方は、先に呼吸器内科を受診されることをお勧めしております。 また新型コロナウイルス感染に慢性副鼻腔炎を合併している例も多く、慢性副鼻腔炎が疑われる場合は副鼻腔CTによって、併せて精査を行います。
Bスポット療法により改善する可能性がある症状、疾患
(2020年日本医事新報より)
耳鼻咽喉科
後鼻漏、鼻閉、咽頭痛、咽頭違和感、頸部リンパ節腫脹、耳管開放症、耳閉感、耳鳴り、嗄声、微熱、嗅覚障害
脳神経内科・精神科
浮動性めまい、頭痛、首こり、肩こり、慢性疲労症候群、ブレインフォグ(集中力低下)、うつ、パニック障害、不安障害
腎臓内科
IgA腎症、IgA血管炎、微小変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症
消化器内科
機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、吃逆(しゃっくり)
リウマチ科
反応性関節炎、SAPHO症候群、関節リウマチ、線維筋痛症
呼吸器内科
咳喘息、慢性痰、血痰、過換気症候群
小児科
起立性調節障害、起床困難、頭痛、腹痛、慢性疲労などによる不登校
皮膚科
掌蹠膿疱症、慢性蕁麻疹(まんせいじんましん)、乾癬、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹
眼科
眼圧上昇、ブドウ膜炎、羞明(しゅうめい)、かすみ目
整形外科
胸肋鎖骨過形成症、全身疼痛、むずむず脚症候群、仙腸関節障害
歯科口腔外科
非定型歯痛、舌痛症、顔面痛、顎関節症、口臭